この投稿の切り抜きには、私の年齢も新聞社名も残っていません。
文面に、大阪の大石さん、と他府県名を記しているので、多分全国紙の朝日新聞ではないかと。
(私は京都在住の折、京都新聞と朝日新聞の二紙を購読していた時期があります)
大石さんの投稿の内容は、非常に優秀な一人息子さんを医療ミスで亡くされた、という主旨のものです。
息子さんは学業を終えられて、一流企業に就職が内定しており、そんなときの出来事でした。
父親である大石さんは、心の内を非常に冷静に投稿しておられました。私の記憶に残っているのは
”もう少し医療従事者側がこちらの気持ちを察して下さっていれば” という文面でした。ひしひしと大石さんの無念
が伝わってくる、しかし決して感情的ではない投稿に、私は胸を打たれ、黙っていられませんでした。
ここに、大石さんの投稿文がないので、うまく伝えられませんが。
今こそ肝に銘じよ”医は仁術なり”
健康であるということはなににもましてありがたいことです。しかし人の不幸とは、また突然やってくる
ものです。自分の不注意で病にとりつかれるならまだしも、医療ミスという不注意で、一生をだいなしに
された場合、本人はもとより、家族の者はどんな思いで生きてゆかねばならないことでしょう。
医療ミスといえば、サリドマイドを思い出します。ある国では、もう十年も前に、徹底した使用禁止が
宣言されていたにもかかわらず、わが国では相変わらず、使用され、サリドマイドという結果をもたらしました。
少しでも便利なものをと、すがる素人には、専門の知識もなければ、使用後の悲惨な結果など思いも及ばない。
2月26日付本紙の大阪の大石さんの事件にしても、医師という特別意識や権力と戦い抜くまでには、想像を
絶する困難をなめ尽くされたことでしょう。便利さと背中合わせに、一瞬にして人間を植物と化してしまう恐るべき
〝凶器”を扱う医師は、人の命のみならず、人の心までも、わが身、わが家族に置き換えて、仕事に従事して
いただきたい。